診療のご案内
発疹を伴う小児の疾患
水痘
- 病原ウイルス
- 帯状疱疹ウイルス(VZV)
- 症状
- 約2週間の潜伏期を経て、体、四肢、顔、頭皮などに赤い水疱ができて、全身に拡がります。しばしば発熱や痒みを伴います。発疹のピークは2-3日で、その後、乾いて黒いかさぶたになり、7日前後で治癒します。
- 治療
- 自然に治る病気ですが、抗ウイルス剤を飲むと早く治ります(2日くらい早く治ると言われます)。解熱剤や痒み止めの軟膏も併せて処方します。
登園・登校:全ての水疱が乾けば(痂皮化)OKです。
*水痘を発症した後、三叉神経節などに潜伏して、本人の免疫状態により再活性化して帯状疱疹を発症します。
*水痘患者に接触後、72時間以内にワクチンを接種すると感染を予防できる場合があります。
伝染性紅斑(リンゴ病)
- 病原ウイルス
- ヒトパルボウイルス19
- 症状
- 感染から1週間くらいは風邪症状がみられます。その後2週くらいで、頬がリンゴのように赤くなり、同時に、大腿部、腕にまだら模様や赤い斑点が出来ます。顔は火照り痒くなることがあります。
- 登園・登校
- 頬が赤くなっている時期は、既に感染する時期は終わっています。従って、赤い斑点が出ていても登園・登校は構いません。
- 治療
突発性発疹
- 病原ウイルス
- ヒトヘルペスウイルス6型
- 好発年齢
- 6か月〜1歳半(90%が1歳未満)
- 症状
- 急な高熱が4〜5日続きます。解熱して、当日か翌日くらいに大小不規則な紅い発疹が出て全身に拡がります。一般に“高熱のわりに赤ちゃんの機嫌が比較的良い”とされますが、食欲が落ちて、全身状態が悪くなるお子さんも決して珍しくありません。
*解熱して発疹が出て突発性発疹と診断ができます。熱のあるうちは他の病気の可能性も常時、考慮することが大切です。
伝染性膿痂疹(とびひ)
- 病原菌
- 黄色ブドウ球菌
- 症状
- 水疱が破れて、ジュクジュクしたびらんを形成して周囲、あるいは離れた部位にもどんどん拡がっていきます。
- 治療
川崎病(MCLS)
- 4歳以下の乳幼児に多い。
全身の血管に炎症が起こる病気で、原因は不明です。
- 症状
- 1)5日以上続く高熱、
2)眼が充血したように赤くなる、
3)口唇の紅潮、舌にブツブツが出来て野イチゴのようになる、
4)手掌やおしり、背中などの不定形紅斑、
5)手足の硬性浮腫(手の甲や指が浮腫んだ様に腫れる、その後、手指・足指の先がむけてくる)、
6)頸部のリンパ節腫脹、
7)BCG接種痕の発赤(赤く膿んだように見える)
など多彩な症状が出現します。川崎病と診断されれば、平均2週間程度の入院が必要となります。治療はγ-グロブリンとアスピリンの投与です。
- 予後
紫斑病
- 紫斑とは粘膜下に生じる出血斑のことを言います。
血小板が減少する特発性血小板減少症(ITP)とアレルギー性の血管炎により紫斑が生じるアレルギー性紫斑病があります。
- 1)特発性血小板減少症:ITP
- 原因はよく分かっていません。自分の血小板を破壊する抗体が生成され、四肢・体に点状の出血斑が現れます。皮下出血以外に鼻出血や血尿などを認めます。
- 2)アレルギー性紫斑病
- 3−10才に好発し、小児で最も頻度の高い血管炎です。
原因は不明です。溶連菌やマイコプラズマ、アデノウイルスなど各種抗原刺激が引き金となり、免疫グロブリンの一つであるIgA抗体の産生が亢進することに関連して、全身性の小血管炎を生じる疾患と考えられています。
- 症状
- 1)出血斑(ほぼ全例):少し盛り上がった出血斑が主に下肢や臀部に左右対称性に出現します。時に、上肢・体・顔などにも拡がります。靴下の圧迫部位に強く出ることがあります。
2)関節痛や関節腫脹(60〜70%):膝や足の関節に好発します。手関節や足関節に生じ、通常、両側性です。痛みによりしばしば歩行困難となります。
3)腹痛(約50%):反復する強い痛みで、しばしば嘔吐を伴います。血便・下血を認めることがあります。
4)限局性浮腫(30〜50%):顔や頭部、足背、手背などに痛みを伴って出現します。
5)腎炎(紫斑病性腎炎;約50%)尿検査で潜血、タンパクなどの異常を認めます。1年ほど経過してから出現することもあるため、定期の尿検査が重要です。
- 治療
- 対症療法が中心です。安静・臥床が望ましいとされ、腹痛がひどいときには入院してステロイド剤を投与します。
- 予後
じんましん
- 皮膚が少し盛り上がった様な膨疹です。大小様々で、つながって地図状やリング状になったりします。
- 原因
- 食物や植物、動物、薬によることもありますが、原因を特定できないことが以外に多いです。お子さんの場合、風邪のウイルス、疲労やストレスなどの体調不良による場合が多く見られます。
- 治療