名取市/小児科/呼吸器内科/土・日曜診療





小児科

■冬に流行する感染症

<<RSウイルス感染症>>
【感染ルート】
飛沫感染、接触感染
【症状】
ウイルスが上気道に感染すると咳・鼻水が数日続きます。乳幼児の約70%は上気道症状のみで軽快します。しかし、残りの30%ほどで細気管支炎や肺炎などの下気道炎を併発します。下気道炎のほとんどは3歳未満の乳幼児に起こります。気管支から更に分かれた、細気管支に炎症が起こって、閉塞を招くようになると、喘鳴・多呼吸・陥没呼吸などの呼吸困難症状を呈するようになります。新生児では無呼吸に陥ることもあります。
【治療】
特別な治療法はなく、対症療法での改善を待ちます。呼吸困難があるときは入院治療になります。特に低月齢や免疫不全児、2500g未満の低出生体重児、心臓・呼吸器系に疾患のある赤ちゃんは注意を要します。
【予防】
大人がRSウイルスに感染しても軽微な鼻風邪程度で済むことが多いです。従って、接触する大人や年長のお子さん(兄弟姉妹)が感染源となるということに、まずは関心をもつことです。
乳児の中でも早産児や、心臓・呼吸器系に疾患を持つ児はRSウイルスに感染した際に重症化しやすいことより、シナジス(抗RSウイルスヒト化モノクロ‐ナル抗体)というRSウイルスに抵抗力をつける注射を行うことがあります。


<<溶連菌感染症>>
【好発年齢と流行時期】
2~12歳くらいまでの小児によくみられ、主に冬に流行します。
【感染ルート】
飛沫感染、接触感染
【原因と症状】
A群β溶血性連鎖球菌に感染して、咽頭痛・発熱・嘔気などが出現します。舌はときに赤くポツポツしてきます。四肢・体幹に発疹が出たり、頸部のリンパ節が腫れて、圧痛を伴うことも珍しくありません。溶連菌は何種類もあるので、何度も罹ります。
【検査】
咽喉の粘膜に菌がいるかどうかを、迅速診断キットで判定します。
【治療】
溶連菌に感受性のある抗生剤を7日‐14日くらい飲みます。通常、1-2日で解熱して咽頭痛が治まってきます。大人にも感染することがあり、咽頭痛が出現してきたら、早めに医療機関を受診して検査を受けてください。
【注意点】
溶連菌感染後に腎炎を発症することがあります。続発症を予防する意味でも、薬をしっかり飲むこと、そして、溶連菌感染の4週間後に尿検査で血尿や蛋白尿が無いことを確認することが大切です。
【登園・登校】
基本的に薬を飲んで24時間で伝染性は殆どなくなります。従って、2日後くらいに症状が改善していれば登園・登校できます。


<<マイコプラズマ感染症>>
Mycoplasma pneumoniaeという病原体が原因となり、種々の臨床症状を呈します。細菌とウイルスの中間の大きさと性質を持っていて、細菌と異なり、細胞壁を持たず、3層の限界膜を持っており、通常のセフェム系やペニシリン系の抗生剤が無効です。
【感染ルート】
飛沫感染
【潜伏期と症状】
潜伏期は2-3週間程度と言われています。発熱で発症し、1-2日遅れで咳が出てきて、徐々に増悪していく、というのが典型的な経過です。病初期には乾いた咳ですが、次第に痰が絡んだ湿った咳になっていきます。肺炎を起こしたり、喘息の発作を誘発したりします。
【治療】
マクロライド系やニューキノロン系の抗生物質が有効です。8歳以上のお子さんにはテトラサイクリン系を用いる場合もあります(7歳以下は副作用の点から通常は用いません。)。
【合併症】
喘息のあるお子さんに喘息発作を誘発したり、発疹や中耳炎、痙攣や消化器症状(嘔吐・下痢など)を生じさせたり、臨床像は実に多彩です。


<<感染性胃腸炎>>
小児の感染性胃腸炎の原因は、ウイルス性のものが多く、ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスが良く知られています。ロタウイルスやノロウイルスは冬に流行し、冬季下痢症とも呼ばれますが、アデノウイルスには特に季節性はありません。
【ロタウイルス感染症】
乳幼児の冬の下痢症の約70%を占めます。感染力がとても強く、生後6カ月から2歳以下に好発し、1-3日の潜伏期を経て嘔吐や下痢が始まります。乳児期後半以後も繰り返し感染しますが、次第に重症化する確率が減少していきます。
【感染ルート】
経口感染で、唾液や便などの排泄物から口へ、あるいは玩具や衣類などを介して間接的に接触感染を起こして広がります。
【症状】
発熱・嘔吐・下痢・腹痛です。大量の白っぽい水様便が一日に何度も出ます。(注:アデノウイルスでも白色便を呈することがあります。)通常、発熱は2日間、嘔吐は2日目以降より減少します。下痢は1週間程度で治まりますが、2週間程度続くこともあります。
【治療】
ウイルスが原因なので特効薬はありません。脱水の予防と対症療法(吐き気止めや整腸剤)を行います。下痢で失われた水分と電解質を経口的に補うため、こまめに根気よく、少量ずつ補給することが大切となります。

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