■B型肝炎ワクチン
B型肝炎は知らぬ間に罹る危険のあるVPDと言われます。B型肝炎ウイルスは感染力が強く、キャリア(ウイルス保有者)の血液や体液(唾液や涙を含みます)を介して感染します。このことは保育園や幼稚園での子ども同士の密接な接触により、感染する可能性があるということを意味します。実際、B型肝炎が保育園や大学などで集団感染したとの報告もあります。日本では毎年、小児から大人まで約2万人が罹患していると推定されています。
3歳未満でB型肝炎ウイルスに罹患すると、キャリア(ウイルスを体内に保有した状態)になりやすく、キャリアのうち約10%が慢性肝炎を発症し、肝硬変に進行する危険性が高くなります。そして肝硬変になると3人に1人の割合で肝臓がんを発症すると言われます。
B型肝炎ワクチンは、キャリアとなることを防止し、ひいては将来の肝臓がんから命を守ることに繋がります。WHO(世界保健機関)では、赤ちゃんが生まれたら出来るだけ早期にワクチンを接種することを指示しており、現在、日本以外の先進国ではすでに定期接種として行われています。
接種時期と回数
初回接種から4週間後に2回目、2回目から20~24週目で3回目を接種します。上述した理由から、保育園などでの集団生活をする前に接種するのが理想的です。